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地域課題に係る産学共同研究委託事業
応用コース
静岡の薔薇を使ったピュアローズウォーターの開発
[委託先団体] 株式会社コーヨー化成
[連携大学] 常葉大学健康プロデュース学部 准教授 寺島健彦
[連携団体] 静岡県工業技術研究所
目的
静岡市は清水地区を中心に県内最大級の薔薇産地です。
本研究事業で構築した薔薇エキス(ローズウォーター)の抽出技術(水蒸気蒸留法)と化粧品のノウハウを生かし、ローズウォーターを「生」の状態で感じてもらいたいとの強い思いから、防腐剤や香料等を一切使用しないローズ水100%の無添加ピュアローズウォーターの開発を目指します 。
[写真1:水蒸気蒸留装置]
進捗状況
製品の品質評価として、抽出したローズウォーターを殺菌処理し、経時による生菌数試験を実施しています。2023年8月よりローズウォーターの生菌数試験を各月毎実施し、3ヶ月経過時点において細菌数及び真菌数nは≦10(検出限界以下)であり、品質基準である≦100*1(細菌・真菌)を満たしているため、微生物汚染による品質劣化は確認されていません。
また、製品の安全性として24時間閉塞ヒトパッチテストを実施しました。20歳以上~60歳未満の健康な男女を対象として、閉塞ヒトパッチテストにより試験品を24時間単回閉塞貼付した場合の皮膚反応を観察しました。結果として皮膚刺激指数による香粧品の分類では「安全品」という評価を取得し、単回貼付だけでなく「皮膚累積刺激性及び感作性試験(RIPT試験)」を実施したところ、皮膚累積刺激性及び感作性につきましても「認められない」という評価を取得しました。成人のみならず、乳幼児への安全性担保として、乳幼児対象の安全性確認試験も継続しています。
ローズウォーターの成分分析について、静岡県工業技術研究所のGC-MS(SPME)にて、サンプリングしたローズウォーターに含まれる薔薇特有の香気成分「DMT(3,5-Dimethoxytoluene)」を測定しました。
表1の結果より、蒸留後のサンプル及び殺菌処理後のサンプル共にDMTが確認できました。含有量についてはバラツキが見られましたが、原料である薔薇の品種及び収穫時期の違いにより全体の香気成分が異なることをGC-MSのクロマトグラフから確認しており、これらの理由がDMT含有量の違いに関係する可能性もあると推察しています。引き続きローズウォーターの成分分析を継続しています。
[表1:殺菌処理によるDMTの有無]
上記の品質評価及び安全性評価の結果を受けまして、今後は製品化に向けた取り組みとして、常葉大学学生約10名に対して使用感アンケートを実施予定です。写真2に試用見本サンプルを示します。ローズ水100%の無添加ピュアローズウォーターを一定期間使っていただき、サンプル自体の評価はもちろんのこと、若い世代のスキンケア実態調査も兼ねたアンケートを実施予定です。
[写真2:試験見本サンプル]
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